なぜこう書くのか
大学のレポートの書き方をAIに尋ねると、多くの人がすぐに本文そのものを出力させてしまいます。しかし、それでは盗用・剽窃のリスクはもちろん、出来上がった文章の論点が自分の思考に基づいていないため、教授からの質疑一つで破綻してしまいます。このプロンプトは、AIを代筆者ではなく「骨組みを一緒に組み立てる相手」として位置づけ、実際の執筆は自分で行うためのものです。
作業を3段階に分けて進める点がこのプロンプトの核です。論点・目次・根拠を一度に要求すると、AIは最も無難な論点を勝手に1つ選び、その上に目次を積み上げてしまいます。ステップ1で一度止めさせることで、3つの方向性を比較し、自分で選ぶ余地が生まれます。各候補に反論を添えさせているのは、反論が思い浮かばない論点は大抵の場合、書くべき中身が薄い論点だからです。
最初に聞き返し(質問)を求めているのは、同じテーマでも授業で扱う理論的枠組みや対象とする時代背景によって、レポートの方向性が全く異なるためです。また、ステップごとに出力形式を指定することで、ステップ1で勝手に表が生成されたり、ステップ3が1つの段落に圧縮されたりするのを防ぎます。
最後の制約がないと、AIはそれらしい架空の論文タイトルや著者名、出版年を捏造して提示してしまいます。それらの多くは実在せず、確認せずに参考文献リストに載せると重大な問題になります。資料の「種類」と「探し先」までにとどめる方が安全であり、実際の執筆もスムーズに進みます。提出要件を """ で囲んでいるのは、要件内の文章がAIへの指示と混同されないようにするためです。
用語が分からなければAha AIで: chain-of-thought, hallucination
悪い例との比較
配達プラットフォーム労働者の労働時間の自律性について、A4で8枚のレポートを書いて。序論からお願い。
出力された文章は一見整っているように見えますが、どの段落にも具体的な根拠がありません。引用のように見える文献も存在しない場合が多く、論点も教科書的な一般論にとどまるため、教授からの突っ込んだ質問に答えられません。結果として、出力された文章を最初から読み直して修正する時間の方が、自分でゼロから書く時間よりも長くなってしまいます。
バリエーション
作成済みのアウトラインを点検したいとき
あなたは{{専攻の分野}}の学生の論文執筆を指導するチューターです。以下は「{{全体のテーマ}}」のレポートに関する私の目次案と各節の要点です。文章を書き直すのではなく、診断のみを行ってください。論点が節ごとにブレている箇所、根拠がなく主張だけになっている節、分量({{分量}})に対して過剰または不足している節をそれぞれ指摘し、最も優先して修正すべき点を1つだけ教えてください。
""" {{提出の要件}} """
構成上の欠陥は、本文を書く前のアウトライン段階で修正する方が圧倒的に効率的です。AIには診断のみを求め、修正は自分で行う形に切り分けています。
想定される反論を事前に洗い出したいとき
「{{全体のテーマ}}」に対する私の論点は、以下の提出要件の後に記載してあります。この論点に対して最も強く反対する{{専攻の分野}}の研究者の立場から、3つの反論を作成してください。それぞれの反論に対して、どのような種類の根拠があれば再反論できるかを1行ずつ添えてください。私の論点を代わりに書き換える必要はありません。
""" {{提出の要件}} """
反論をあらかじめ把握しておくことで、本論のどの節に重きを置いて論証すべきかが明確になります。発表や口頭試問の質疑応答対策としてもそのまま活用できます。
モデル別の注意
3つのステップを一度に要求すると、ステップ1を飛ばして目次から出力してしまう場合があります。論点の候補のみが出力されたことを確認してから、次のステップへ進んでください。
提出要件が長文になると、ステップの区切りを無視して一度にすべて回答してしまうモデルがあります。その場合は「まずはステップ1のみ出力してください」と一言添えることで指示が守られやすくなります。また、Web検索機能が有効な場合でも、提示された文献リストは必ず原典を自分で開いて確認したものだけを引用してください。
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最終更新 2026-09-02 · 誤りがありますか? 知らせる