なぜこう書くのか
初めて目にする論文を冒頭から読み始めると、理論的背景の段階で迷子になりがちです。著者がなぜその話をしているのか分からないまま、他人の研究のまとめを何十段落も読まされることになるからです。ChatGPTを活用した論文読解において最初に作るべきなのは、要約文ではなく「全体マップ」です。何がどの節に書かれているかが分かれば、必要な節だけを選んで精読できます。
ステップを5つに分け、順番に進めるよう指示しているのは、後ろのステップが前のステップの回答に依存しているためです。主張の核心が定まって初めて、どの文がその根拠なのかを正しく判別できます。一度にすべてを指示すると、AIは節の順番通りに要約を並べるだけで、目次を書き直したような出力になってしまいます。タスクを分割して順序立てることで、各ステップのアウトプットが次のステップの材料になります。
2段落目で評価を禁じているのも意図的な制約です。評価を許可すると、AIは構造の整理を中断して「興味深いアプローチである」といった感想を述べ始めてしまいます。限界や課題を吟味するのは、骨組みを完全に描き出してからで十分です。
形式で指示している「節の名前を括弧書きで添える」という点は、このプロンプトで最も実用的な一言です。マップの各項目に本文の該当箇所が付いていれば、構造を把握した後にすぐその節へジャンプでき、AIの要約に誤りがないかもその場で検証できます。制約にある「記載なし」という指定は、空白をもっともらしい文脈で勝手に埋めてしまうハルシネーションを防ぐための出口です。論文を """ で囲むのは、本文中の表のキャプションや脚注の指示がAIへの命令として誤読されるのを防ぐためです。
用語が分からなければAha AIで: context-window, prompt-injection
悪い例との比較
この論文を要約して
(論文を貼り付け)
はじめにから結論まで、節の順序通りに圧縮した文章が出力されます。文章量は減るものの、著者の主張と他人の先行研究の要約が同じトーンで混ざり合っているため、何がこの論文の独自の貢献なのかが分かりません。本文のどこを開けばよいかも示されないため、結局最初から読み直すことになります。数値やサンプルサイズが抜け落ちていても、要約文だけではそれに気づくのが困難です。
バリエーション
複数の論文を同じフォーマットで比較したいとき
以下の{{分野}}の論文を、次の6つの項目のみで整理してください。他の論文も同じ枠組みで埋めて比較するため、項目名や順序は変更しないでください。
リサーチクエスチョン / 対象とサンプルサイズ / 方法 / 主な結果(数値を含む) / 著者が挙げた限界 / この論文の新規性。各項目は2文以内に抑え、本文に記載がない場合は「記載なし」と書いてください。
論文本文: """ {{論文の本文}} """
比較表を作成する際は、項目をあらかじめ固定する必要があります。論文ごとに出力形式が変わってしまうと、後から一覧表に統合できなくなります。
読了後に1枚のシートとして残したいとき
以下の{{分野}}の論文を、後から参照できる1枚の記録シートとしてまとめてください。
最上部に引用情報(著者・発行年・タイトル。本文中にある情報のみ)、その下に論文全体の要約(1文)、その下に自分が引用できる重要な文3点(節の名前を併記)、最後にこの論文から派生して読むべき関連テーマ2点を記載してください。本文にない書誌情報は絶対に創作しないでください。
論文本文: """ {{論文の本文}} """
構造マップを作成した後に続けてリクエストすることで、そのまま保管用の読書記録になります。書誌情報を創作しないという制約が特に重要です。
モデル別の注意
PDFを直接読み込めるモデルを使用する場合は、まずファイルを添付してからプロンプトを送信してください。本文が長すぎる場合は、導入・方法・結果の部分だけを抜粋して入力してもマップを作成できます。
関連プロンプト
最終更新 2026-09-02 · 誤りがありますか? 知らせる