なぜこう書くのか
KPI設定のプロンプトで単に「チームのKPIを作って」と頼むと、売上、PV数、CVR、顧客満足度といった一般的な指標が並びがちです。どれも間違いではありませんが、チームが今週何をすべきかは何も見えてきません。売上はチームが直接操作できる数値ではなく、様々な施策が積み重なった「結果」に過ぎず、結果だけを指標にすると数値が悪化した際にどこを改善すべきか分からなくなります。
そのため、2つ目の課題の段落で「指標をいきなり羅列しない」とまず制約をかけています。禁止事項を先に提示しないと、モデルは学習済みの一般的なKPIリストをそのまま出力してしまうためです。3つ目の段落ではプロセスを3つのステップに分割し、掛け算が成り立つ中間成果に分解してからさらに掘り下げるよう指示しています。掛け算で分解するという条件が重要です。「リピート顧客数 = 購入経験者数 × リピート転換率」のように数式が成立して初めてどちらを伸ばすべきか判断でき、単に思いつきで並べると項目の重複や漏れが生じるのを防げます。
4つ目の形式の段落にある「データの取得元」という列が、実務で本当に使える指標と絵に描いた餅を分けるポイントです。計算式は綺麗でも、社内のどの管理画面を見てもその数値が取れないというケースが多いためです。「未測定」の表記を許容することで、取れないデータが浮き彫りになり、指標の設計とデータ計測環境の整備を切り分けて進められます。
最後の段落では、担当組織が動かせない数値を指標から除外し、結果指標は上位ステップに残すよう釘を刺しています。毎週追う指標を3つに絞らせるのも同じ理由です。10個も指標があると誰も見なくなりますが、3個であれば週次ミーティングで確実にトラッキングできます。
用語が分からなければAha AIで: chain-of-thought, output-format
悪い例との比較
うちのチームの今年のKPIを作って。リピート顧客を2倍にするのが目標です
どこにでもある一般的な指標リスト(リピート率、LTV、解約率、NPSなど)が出力されます。それぞれの項目がどう連動しているかの説明がないため、どこから着手すべきか分からず、目標値も「リピート率30%」といった根拠のない数字で埋められます。自社でその数値をどうやって取得するかも記載されていないため、決めた後の初回の週次会議で数値を埋められず、形骸化してしまいます。
バリエーション
既存のKPIが適切か点検する場合
当チームが現在追っている指標をこの下に貼り付けます。各指標が「{{最終の目標}}」とどのような計算式で結びついているかを明確にしてください。数式で直接繋がらない指標については、なぜ繋がらないのか理由を記載し、{{期間}}内に目標を達成するために必要なのに現在抜けている指標があれば別途挙げてください。また、{{担当組織}}が直接動かせない指標があれば指摘してください。
新規に策定する前に、既存の指標を整理する方が早いケースも多くあります。最終目標とロジックが繋がっていない無駄な指標をまず洗い出して削ぎ落とします。
週次定例用の1枚シートに要約する場合
先ほど作成した指標のうち、{{担当組織}}が毎週必ず確認すべき3つだけを残し、週次定例で確認するための1枚フォーマットを作成してください。各指標には「今週の実績・前週比・{{期間}}目標までの残ギャップ・今週のアクション(1行)」を含めてください。また、数値が悪化した場合にどの下位項目から原因を掘り下げて確認すべきかの手順も指標ごとに記載してください。
KPIを設計した後に現場で運用するためのステップです。悪化時に確認する項目の優先順位をあらかじめ決めておくことで、会議で原因探しに無駄な時間を使わずに済みます。
モデル別の注意
まずはステップ1の分解結果をしっかり確認してから次に進んでください。ここで分解ロジック(数式)が崩れていると、後続の指標がすべてずれてしまいます。表が出力された後からだと、どこでロジックが破綻したかを特定するのが難しくなります。
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最終更新 2026-09-02 · 誤りがありますか? 知らせる