なぜこう書くのか
所見や活動記録の作成をAIに任せる際、最も失われやすいのは「個別具体的な事実」です。活動名と日付だけを与えると、「キャリア探究活動に参加し、自身の進路について主体的に考え、積極的に発表した」といった、その場にいた全員に当てはまる無難な定型文が生成されてしまいます。生徒が実際に行った固有の行動が抜け落ちてしまうためです。
3段落目の例示2行が、このプロンプトで最も重要な役割を果たします。文の長さや語尾を言葉で細かく指示するよりも、理想的な文例を2つ示すことで、AIはその文体と焦点を忠実に再現します。これら2つの例は、1つが「行動と関心の変化」、もう1つが「思考の姿勢を行動として捉える書き方」を示しており、所見記録において重視される観点を網羅しています。
形式で指示している「メモとの対照表」は、ファクトチェックのための仕組みです。指導要録や評価記録は根拠が求められる文書であるため、どの文がどの観察記録に由来しているかが明確であれば、教員が安心して手直しできます。対応するメモがない記述があれば、AIが創作した箇所だと一目で分かります。
制約の段落では、事実無根の補完を防ぐことと、陳腐な常套句の排除という2つのブレーキをかけています。「意欲的である」と書く代わりに、そう判断できる行動そのものを書かせることで、自然とその生徒ならではの文章に仕上がります。
メモを"""で囲んでいるのは、生徒の発言などがAIへの指示として誤認されるのを防ぐためです。出力はあくまで下書きとし、各校の評価・記載方針に合致しているかは教員自身が最終確認してください。
悪い例との比較
総合的な学習の時間の所見を書いて。キャリア探究の日に参加して食品栄養に興味を持ったよ。
生のメモではなく粗い要約を入力すると、AIはその余白をありきたりな美辞麗句で埋めてしまいます。結果として「キャリア探究の日に参加し、食品栄養分野に関心を示しながら進路計画を深めた」程度の一般的な文しか生成されず、「献立表を集めて自ら計算した」という重要な事実が最初から欠落してしまいます。他の生徒と差がつかず、後から指導根拠を問われても説明がつかなくなります。
バリエーション
複数生徒を一括で整理する場合
以下は、同一の活動において複数生徒を観察したメモです。生徒ごとに活動記録・所見文を作成してください。
各生徒300〜400字程度で作成し、文頭の表現や言い回しが重複しないように工夫してください。メモの分量が少ない生徒については無理に引き延ばさず、簡潔に記述した上で「※追加観察が必要」と明記してください。生徒の識別記号はメモの記述をそのまま使い、架空の名前を作らないでください。
活動 メモ: """ {{活動 メモ}} """
クラス単位でまとめて処理する際に使用します。表現のバリエーションを保つ条件と、情報が少ない場合に無理に引き延ばさせない条件をセットで指定することが重要です。
生徒の振り返りシートから抽出する場合
以下は、活動終了後に生徒自身が記入した振り返りシートの内容です。ここから公的な記録文に使用できる客観的事実のみを抽出して整理してください。
まず、振り返りシートから「生徒が実際に行った行動」と「生徒自身が述べた思考・関心の変化」を箇条書きで抽出してください。次に、そのリストの事実のみに基づいて300〜400字程度の記録文を作成してください。「楽しかった」「勉強になった」といった主観的な感想のみの箇所は記録文には含めず、別途除外リストとしてまとめてください。教員が直接観察していない事項には「(生徒の自己申告に基づく)」と注記してください。
活動 メモ: """ {{活動 メモ}} """
教員側の観察メモが不足しており、生徒の自己評価シートを元データとして活用する際に適しています。客観的な観察事実と生徒の自己申告を明確に区別して整理させることがポイントです。
モデル別の注意
学校や自治体によって文字数制限や記載ルールが異なります。生成結果をそのまま転記せず、必ず学校の指導方針・要領を確認した上で教員が最終調整を行ってください。
関連プロンプト
最終更新 2026-09-02 · 誤りがありますか? 知らせる