なぜこう書くのか
価格改定の案内文をAIに依頼すると、謝罪文のような仕上がりになりがちです。「申し訳ございません」という言葉が段落ごとに繰り返され、肝心の「いくら」「いつから」上がるのかが本文の途中に埋もれてしまいます。受け手側は「都合の悪いことを隠そうとしている」と感じ、結果として価格そのものよりもその姿勢に不満を抱きます。そのため、このプロンプトでは金額と日付を第1段落に配置します。
第2段落の文脈がその判断の根拠です。受け手が新規ではなく既存顧客であること、そして「ごまかされること」に敏感であると指定することで、AIが無駄に遠回しな表現を重ねるのを防ぎます。タスク段落では、その情報提示の順序を明確に指示しています。
制約段落では2つの落とし穴を防ぎます。1つは根拠の勝手な拡張です。資料にない一般的な物価や原材料の話を付け足すと一見それらしく見えますが、顧客から詳細を突っ込まれた際に回答できません。もう1つは陳腐な定型句です。「やむを得ず」といった表現は決定の主体を曖昧にし、かえって無責任な印象を与えます。
形式指定にある「2つの選択肢」は、この案内を一方的な通告で終わらせないための工夫です。改定前の延長契約や下位プランの提示など、選べる余地があれば、顧客は抗議ではなく「検討」に移ります。ただし選択肢を資料の範囲内に限定しているのは、根拠のない猶予条件などを勝手に案内文に記載して約束事にしてしまうリスクを防ぐためです。最後の文で修正指示の余地を残しているのは、こうした重要文書のトーンを一度で完璧に合わせるのは難しいためです。初案を受けて「もっと淡々と」と指示することで、ChatGPTが作成しがちな過度な下手(したて)に出る姿勢を整えることができます。
用語が分からなければAha AIで: hallucination, context-window
悪い例との比較
価格改定の案内文を書いて。来月から値上げする予定。
(社内メモを貼り付け)
値上げ幅や適用時期の優先順位が明確でないため、AIは過度な謝罪や感謝の挨拶で文字数を埋めてしまいます。理由を勝手にでっち上げることも多く、「原材料費の高騰」など元データにない理由が自然に入り込んでしまいます。顧客からその根拠を問われても答えられず、選択肢もないため、返信の多くがクレームとなってしまいます。また、改定額が本文中で見つけにくく、顧客からの問い合わせが二重に発生する原因にもなります。
バリエーション
取引先へ送る納入単価改定の公文書
{{商品名}}の納入単価改定をお知らせする公文(案内状)を作成してください。宛先・件名・本文・記書き(添付)の公文書形式とし、本文には{{値上げの幅}}、{{適用の時点}}、および既存契約分の取り扱い方法を含めてください。丁寧な敬語を用いつつも個人的な事情を長々と説明せず、協議が必要な場合の返信期日を明記した文末にしてください。
""" {{値上げの理由}} """
BtoB取引では、社内決裁を通しやすい正式な書面形式が求められます。返信期日を設けることで、交渉の窓口を正式に開いておきます。
値上げと同時に新プランへ移行する案内
{{商品名}}の価格を{{適用の時点}}から{{値上げの幅}}改定するにあたり、現行価格を維持できる下位プランを併せて案内する文章を作成してください。2つの選択肢の違いを表形式で整理し、それぞれどのような利用者に適しているかを1行ずつ明記してください。下位プランへの誘導に見えないよう、中立的なトーンで記述してください。
""" {{値上げの理由}} """
実際に代替プランの選択肢が存在する場合に使う形式です。比較表を前面に出すことで、「単なる値上げの告知」ではなく「料金プランの改定・見直し」として受け止められやすくなります。
関連プロンプト
最終更新 2026-09-02 · 誤りがありますか? 知らせる