なぜこう書くのか
問題定義プロンプトが必要になるのは、大抵「何かうまくいっていない」ということだけが分かっている段階です。その状態のままAIに聞くと、解決策ばかりが次々と提示されてしまいます。「完走率が低い」と伝えただけなのに、リマインド通知、コミュニティ形成、修了証の付与といったアイデア一覧が返ってくることになります。肝心の「何が問題なのか」をまだ誰も合意していないにもかかわらずです。
そのため、第3段落の逆質問が重要な役割を果たします。メモだけでは、第3回で離脱する理由が時間の長さなのか難易度なのか判断できません。人が情報を補う前にAIから質問させることで、勝手な憶測や思い込みの上に企画が組み立てられるのを防げます。質問を3つに限定しているのは、やり取りが長引いて本来のアウトプットが得られなくなるのを防ぐためです。
第1段落の**文脈(コンテキスト)**で対象者を特定するのも同じ意図です。「受講生」と「仕事終わりに受講する社会人の学習者」では、導き出される課題がまったく異なります。タスク段落で指定した4要素は、問題定義文が満たすべき最低限の構成です。特に「その結果何を失っているか」が抜けると、本当に解決すべき価値のある問題なのかどうかを判断できません。
制約でスコープの異なる3パターンを求めている理由は、問題定義とは本質的に「選択」だからです。狭く捉えれば今月中に対応できますし、広く捉えればサービス方針そのものの見直しになります。各文の下に「何をやらないことになるか」を添えることで、その選択に伴うトレードオフが可視化されます。メモを"""で囲んでいるのは、メモ内の記述がプロンプトへの指示として誤認されるのを防ぐためです。
用語が分からなければAha AIで: prompt, hallucination
悪い例との比較
講座の完走率が低いのですが、どうすればいいでしょうか?
(状況のメモを貼り付け)
すぐに改善案が10個ほど提示されます。一つひとつはそれらしく見えますが、どれも「第3回で離脱が集中している」という事実にフォーカスしていません。課題が定義されないまま出されたアイデア一覧には優先順位の基準がなく、結局ミーティングでゼロから議論し直すことになります。不足している前提をAIが聞き返してもくれないため、誤った前提のまま話が進んでしまいます。
バリエーション
すでに問題定義の1文を自分で書いている場合
以下は私が作成した問題定義の文です。書き直す前に、まず検証してください。①この文の中に解決策が無意識に混ざっていないか ②{{影響を受ける人}}の視点で実際に起きている事実か ③正誤(ファクト)を検証可能か、の3点から指摘してください。その上で、最も改善が必要な1箇所だけを修正した文を提示してください。
""" {{状況のメモ}} """
自分で書いた文には、無意識に解決策が混ざりがちです。いきなり「リライトして」と頼むと、問題のある前提を残したまま文章だけが綺麗に整えられてしまいます。
問題を5つに分解して検討したい場合
以下のメモに含まれる問題を1つにまとめず、独立した5つの問題に分解してください。それぞれ「誰が/いつ/何ができないか」の形式で記述し、{{影響を受ける人}}が直面する時系列順に並べてください。さらに、5つの中で今すぐ着手すべきものを1つ選び、その理由を2行で述べてください。
""" {{状況のメモ}} """
1つの大きな問題に見えているものが、実際は複数の小さな問題の集合体であることはよくあります。分解して並べることで、着手すべきポイントが明確になります。
関連プロンプト
最終更新 2026-09-02 · 誤りがありますか? 知らせる