なぜこう書くのか
授業の振り返りをChatGPTにそのまま頼むと、単なる当たり障りのない感想文が返ってきがちです。「生徒の参加意欲に課題は残ったものの、有意義な時間となった」といった文面は、見た目は整っていても、次の授業の質を1ミリも変えられません。振り返りを積み重ねても同じ失敗を繰り返してしまう原因はここにあります。
課題の段落で「自分だけが見る記録」と明確に定義し、褒め言葉を排除するよう指示したのが最初のポイントです。他者に見せる前提だとAIは無難な長所からまとめ始め、結果として実践に役立たない文章で半分が埋まってしまいます。形式で指定した4項目は、「事実」から「具体的な行動」へと焦点を絞り込んでいく構成になっています。起きた事実 → 計画とのズレ → その結果 → 変えるべき行動というステップを踏むことで、最後の1行に明確な根拠が生まれます。
項目4に設けた制約条件こそが、このプロンプトの最大の肝です。「もっと気をつける」は単なる反省であって行動ではありません。「いつ・何をやるか」を指定させることで、「導入でタイマーを表示し、5分で必ず区切る」といった、明日から即実行可能なToDoに落とし込めます。第5段落の**自己点検(セルフチェック)**により、モデル自身に条件を満たしているか再確認させています。一度の生成で完璧にいかなくても、このチェック段階で大半の曖昧さが排除されます。
制約の段落は、短いメモの余白をAIが勝手な想像で埋めてしまうのを防ぎます。授業直後のメモは数行程度の短文が多いため、「生徒たちは興味深そうにしていた」といった根拠のない美化が混ざりやすいのです。メモを """ で囲んでいるのも同様の理由です。メモ内の「まとめできずチャイム」といった断片的な記述が指示と混ざらず、参照データとしてのみ扱われるようにしています。
用語が分からなければAha AIで: output-format, hallucination
悪い例との比較
今日の授業の振り返りを書いてください
(授業メモを貼り付け)
メモに書かれた事実が、ただの綺麗で無難な文章に引き伸ばされてしまいます。「時間配分に課題はあったものの、生徒は意欲的に取り組んでいた」のように観察と主観的評価が混ざり、メモにない生徒の反応が勝手に追加されます。最後も「次回は時間管理に留意したい」といった抽象的な感想で終わり、明日具体的に何を変えればいいのかが定まりません。
バリエーション
1週間分のメモをまとめて振り返る場合
以下は今週1週間分の授業メモをまとめたものです。1日ごとにまとめるのではなく、1週間全体を通して繰り返し見られる共通の課題を2つ抽出してください。それぞれについて、根拠となったメモの該当箇所、その課題が継続していると考えられる要因、来週試す具体的な行動1つを記述してください。1度しか起きていない出来事は繰り返し課題として挙げないでください。
""" {{授業のメモ}} """
1日単位の記録はその日の状況に左右されがちですが、1週間分を俯瞰することで、偶発的な出来事と自分自身の指導の癖(習慣)を切り分けることができます。
同僚との授業検討会・カンファレンスで共有する場合
以下のメモをもとに、同僚の教員と共有するための授業検討資料を作成してください。項目は「授業で試みたこと」「想定と異なった場面」「自分の中で判断に迷っている点」「同僚に意見を聞きたい問い(2点)」の4つです。良かった点をアピールする文言は省き、「判断に迷っている点」を最も詳細に記述してください。メモにない情報は補完しないでください。
""" {{授業のメモ}} """
自分用の振り返りと、他者に見せる検討資料では強調すべきポイントが異なります。悩んでいる点や問いを明確に提示することで、実りのある対話が生まれます。
モデル別の注意
メモは授業直後に殴り書きの5行程度で十分です。時間が経つと記憶が都合よく整理されてしまい、何がどうズレていたのかという生々しい情報が失われてしまいます。
関連プロンプト
最終更新 2026-09-02 · 誤りがありますか? 知らせる