なぜこう書くのか
機械翻訳を通した文章は、意味が通じていても日本語として読むと引っかかりを覚えることがよくあります。翻訳調を直すプロンプトでよくある失敗は、単に「自然な文章にして」とだけ指示することです。そうするとAIは文章を一から書き直し始め、2つの文を1つにまとめたり原文にない補足を追加したりして、微妙に意味が変わってしまいます。レビューする側も何がどう変わったか追えず、結局原文と見比べながら最初から読み直す羽目になります。
そこで課題の段落において、修正対象を3つに絞り込みました。受動態、名詞化、そして重複する助詞です。日本語の翻訳調の多くはこの3点に起因するため、対象を具体的に指定することで、AIが文章全体を勝手に作り変えるのを防ぎ、該当箇所だけを調整させることができます。「自然な日本語にして」と命じるよりも、「何を変更してはいけないか」を同時に指定する方が結果は格段に安定します。
3段落目の具体例は、修正の許容範囲を示しています。語順の入れ替えや助詞の置き換え程度は許容するが、文章自体の再構成は求めていないという「目盛り」を例示によって伝えています。
形式を表形式にした理由は、レビュー作業の効率化のためです。修正後の全文だけを渡されるとどこが変わったのか分からず全文の再読が必要になりますが、原文と修正文が横並びになっていれば目で素早く差分を確認できます。制約にある「意味が変わりそうな場合は要確認とする」というルールは、曖昧な文をAIが独断で書き換えないための安全策です。下書きを """ で囲んでいるのも同様に、下書き内の文章が指示文として誤認識されるのを防ぐためです。
用語が分からなければAha AIで: few-shot, hallucination
悪い例との比較
この文章を自然な感じに書き直して
本機能は、ユーザーによって有効化されることが可能です...
一見すると読みやすい文章が出力されますが、文の数が減ったり表現が丸ごと変わったりした全く新しい文章になってしまいます。原文と照らし合わせなければ正確性を確認できず、マニュアルや契約書などではそのまま使えません。どこをなぜ直したのかも記録に残らないため、次回の翻訳時にも同じ課題が繰り返されます。
バリエーション
1文ずつ素早く確認したいとき
以下の文章から、不要な受動態と名詞化した動詞表現のみを修正してください。1文につき1行、「原文 → 修正」の形式のみで出力し、解説は付けないでください。修正箇所がない場合は「修正不要」と記載してください。
""" {{翻訳下書き}} """
表や解説を省き、差分の対比のみを残しました。少数の文章を素早くチェックしたいときに適しています。
英語原文と照らし合わせて修正するとき
以下は英語の原文を日本語に訳した下書きです。まず英語原文の意味の欠落や余分な追加がないかを確認し、その上で翻訳調の表現を修正してください。表の列は「日本語下書き ・ 修正文 ・ 意味が変わった点」とし、原文にない内容が含まれている文章にはその旨を明記してください。
""" {{翻訳下書き}} """
文体よりも誤訳の防止が最優先です。手順を指定することで、AIが文章を滑らかにしようとして重要な意味を削ってしまう事態を防ぎます。
モデル別の注意
専門用語が多い文章の場合は、あらかじめ「変更してはならない用語リスト」をプロンプト内で提示しておくことで、用語が勝手に一般的な言葉へ言い換えられるリスクを減らせます。
「〜される」「〜によって」のような典型的な表現は正確に拾い上げますが、「〜において」「〜を通じて」のように日常的に見慣れた翻訳調は見過ごされることがあります。頻出する気になる表現があれば、修正対象のリストに直接追記して活用してください。
関連プロンプト
最終更新 2026-09-02 · 誤りがありますか? 知らせる