なぜこう書くのか
引き継ぎ書を一度にまとめて書こうとすると、必ず抜け漏れが発生します。長く担当してきた業務ほど、体が覚えている手順を言語化し忘れてしまうからです。引き継ぎ書プロンプトの役割は、文書の見栄えを整えることではなく、自分の頭の中からまだ取り出せていない情報を引き出すことにあります。
そのため、第3段落で作業を3つのステップに分けて進めるように指示しています。まずリストを作り、そのリストを見ながら詳細を埋め、最後に抜け漏れを点検するという順序です。一度に出力させると、AIはそれらしいフォーマットを1枚作って終わってしまいますが、リストを先に目で確認することで「あ、四半期ごとの精算もあったな」と思い出すことができます。「『次へ』と言ったときだけ」という指示は、3つのステップが一気に画面に流れ出るのを防ぐための工夫です。
形式の段落で列名と5つの項目を固定しているのは、引き継ぎで抜け落ちるポイントが常に決まっているからです。「どこで」が抜けていると後任はファイルを探すだけで1日を費やし、「困ったときの相談先」がないと結局前任者に電話がかかってきます。資料にないものを[要確認]として残すようにしたのは、空白をAIがもっともらしい文章で埋めてしまうのを防ぐためです。
第6段落で開始前に逆質問させるようにした部分は、このプロンプトで最も価値が高いポイントです。自分が何を書き忘れているかは自分では気づきにくいものですが、リストを見たAIは「承認権限は誰が持っていますか?」といった質問を投げかけてくれます。その質問自体がそのまま引き継ぎ項目になります。資料を"""で囲んでいるのは、注意点に書いたメモがプロンプトへの指示として誤認されないようにするためです。
用語が分からなければAha AIで: output-format, context-window
悪い例との比較
引き継ぎ書のフォーマットに従って書いて。私はECサイトの商品登録と在庫管理の担当です。
返ってくるのは、どの会社でも使えるような空のテンプレートだけです。業務概要、主要業務、特記事項といった見出しだけで、中身は自分で埋め直さなければなりません。さらに、AIが一般的な商品管理の手順を想像で埋めてしまうと、自社では行っていない手順が書かれたまま後任に渡ってしまうリスクもあります。
バリエーション
退職日まで時間がないとき(最重要事項のみ)
{{担当業務}}を引き継ぐ必要がありますが、時間が1日しかありません。以下の資料から「私がいないと今すぐ業務が止まるもの」だけを厳選して表にしてください。列は「業務・いつ発生するか・最低限これだけやればいい手順・連絡先({{関連部署}}の中から)」とします。その他は表の下に「後日整理するもの」として名前だけ記載してください。
""" {{周期ごとの日程}} """ """ {{注意の事項}} """
急ぎのときは完成度よりも優先順位が大切です。止まっては困る業務から確実に引き継ぎ、残りは名前だけをリストに残します。
後任がまだ決まっていないとき
{{担当業務}}の業務記録を残そうとしています。誰が読むかわからないため、チーム内なら誰でも知っている略語や社内用語が出てきたら、その都度「(=わかりやすい説明)」を括弧書きで補足してください。以下の資料をもとに業務リストと項目ごとの詳細を作成し、最後にこの文書だけでは判断できないことを5つ、質問の形式で記載してください。
""" {{周期ごとの日程}} """ """ {{注意の事項}} """
誰が読むか特定できないため、社内用語を噛み砕くルールを追加しました。最後の5つの質問は、後任が決まった際に確認して埋めるべきToDoリストになります。
モデル別の注意
3つのステップを一度に出力してしまうモデルがあります。その場合は「ステップ1だけを表示して一旦止まってください」を1行目に書き加えてください。
3つのステップを一度に出力してしまうモデルがあります。その場合は、プロンプトの1行目に「ステップ1だけを表示して一旦止まってください」と書き加えてください。会話が長くなり前のステップを忘れたようになったら、ステップ1の表を再度貼り付けて続きを依頼してください。
関連プロンプト
最終更新 2026-09-02 · 誤りがありますか? 知らせる