なぜこう書くのか
契約書をAIに入力して「これ大丈夫?」と尋ねると、2つの問題が生じます。第1に、返答がまるで確定した法的判断のように見えてしまうこと。第2に、その判断の根拠を確認できないことです。そのため、この契約書レビュー用プロンプトは最初の段落の役割で明確に境界線を引いています。有利・不利の法的判断は下さず、条項の整理と確認すべき質問の抽出に徹します。
第3段落で作業を2つのステップに分けているのは、手順によって出力の質が大きく変わるためです。まず条項を表として展開することで、その表に基づいた具体的な質問が生まれます。逆に質問から生成させると、契約書の内容と無関係な一般論が出力されがちです。契約条項の確認事項を整理する際は、常に原文の整理を先に行うのが適切です。
第5段落では、判断を質問へ変換するよう指示しています。「60日払いは不利です」ではなく、「支払期日が60日後となっているが、自社の資金繰りスケジュールと合致しているか、短縮交渉は可能かを確認する」となります。前者は根拠が曖昧な結論ですが、後者はすぐに使えるアクションプランになります。「文書内に記載なし」の項目を設けている理由は、契約におけるリスクは書かれている条項よりも、抜け落ちている条項に潜んでいることが多いためです。
第6段落の突き合わせは、AI自身によるセルフチェックです。契約書は条文番号が多いため、AIが存在しない条文番号をハルシネーションで作り出しやすい文書です。原文が見つからない行を削除させることで、この問題を大幅に低減できます。契約書を """ で囲んでいるのは、条文内の「甲は乙に通知する」といった文言をAIが自身への指示と誤認しないようにするためです。
用語が分からなければAha AIで: prompt-injection, hallucination
悪い例との比較
この契約書をレビューして。問題のある条項を教えて。
(契約書を貼り付け)
「第9条は甲に一方的に有利であるため修正が必要です」といった結論だけが返ってきます。もっともらしく見えますが、どの文言を根拠にした判断なのかが分からず、契約書に存在しない条文番号が混ざることもあります。この回答を鵜呑みにして相手方と交渉すると根拠を示せず窮地に立たされる恐れがあり、本当に抜け落ちている条項は見落とされたままになります。
バリエーション
標準的な契約項目との差分を確認したいとき
以下は{{契約の目的}}に関する契約書です。当社は{{自社側の立場}}です。この種の契約で一般的に定められる項目(代金・期間・検収・知的財産権・秘密保持・解除・損害賠償・紛争解決)を基準に、各項目がこの文書内に含まれているかどうかを表形式で整理してください。記載がある場合は「条項番号と該当する原文1行」を、記載がない場合は「文書内に記載なし」と明記し、その項目がない場合に担当者が確認すべき質問を1つ添えてください。有利・不利の法的判断は記載しないでください。
""" {{契約書の原文}} """
抜け落ちている条項の発見に特化したバリエーションです。あらかじめ確認項目リストを与えることで、AIの出力を文書の範囲内に限定できます。
ミーティング前の質問シートとして1枚にまとめたいとき
以下の契約書を読み、相手方担当者との打ち合わせで使用する質問シートを作成してください。質問は重要度順に最大8個までとし、番号を振ってください。各質問の下には「関連条項:(条項番号と原文1行)」と「相手方の回答がこうだった場合は社内検討が必要:(1行)」を記載してください。契約書にない内容から勝手に推測して質問を作らず、確認できない事項は「未確認事項」として別途まとめてください。
""" {{契約書の原文}} """
表形式の代わりに、会議でそのまま読み上げて使えるアジェンダ形式にしています。判断基準を事前に記載させておくことで、その場で迷わず対応できます。
モデル別の注意
契約書ファイルを先に添付してから貼り付けてください。このプロンプトは条項の整理と質問リストの作成までを行います。有利・不利の法的な判断や最終的な意思決定は、必ず社内法務や弁護士にご確認ください。
契約書が長文の場合、前方の条項だけを表にまとめて後半を省略してしまうことがあります。条文番号の範囲を分割して(例:「第1条から第10条まで」)2〜3回に分けて依頼し、最後に表を統合すると精度が向上します。
関連プロンプト
最終更新 2026-09-02 · 誤りがありますか? 知らせる