なぜこう書くのか
自分で書いた文章は、読み返してもミスに気づきにくいものです。すでに頭の中にある文脈を、目が勝手に補って読んでしまうためです。そのため、文書チェックプロンプトで重要なのは「一度読んでみて」と頼むことではなく、何を確認すべきかという基準を先に作らせることです。基準なしで尋ねると、AIはありきたりな褒め言葉とわずかな誤字脱字の指摘だけで済ませてしまいます。
第1段落の役割で「代わりに書き直す人ではなく、問題点を見つけ出す人」と釘を刺しているのが最初の仕掛けです。この指示がないと、AIは指摘の代わりに勝手にリライトした全文を出力してしまい、自分の文章のどこに問題があったのかが分からなくなります。文脈における受取人と目的は、評価基準そのものを左右します。同じ文面であっても、上司に送る場合とクライアントに送る場合では気をつけるべきポイントが異なるためです。
タスクの段落で基準をあらかじめ6つ作らせる理由は、チェックのたびに視点がブレるのを防ぐためです。形式で指定した3段階判定と「根拠となった文の引用」は、AIによるもっともらしい的外れな指摘を排除します。引用すべき文が見つからない場合、その指摘はそもそもこの文書に存在しない問題です。
第5段落は、表を完成させた後にAI自身が出力結果を再確認するセルフチェックのステップです。確認が形骸化するのを防ぐ仕掛けであり、「このまま送信した場合に起こりうること」の1行は、修正すべきかそのまま送るかを判断する根拠になります。文書を """ で囲んでいるのは、本文中にある「ご確認のうえご返信をお願いいたします」などの文が、AIへの指示として誤認されるのを防ぐためです。
用語が分からなければAha AIで: output-format, prompt-injection
悪い例との比較
これ送って大丈夫かちょっと見て
(文書を貼り付け)
このように尋ねると、大抵は「よく書けています」といった2〜3行の総評や、軽微な誤字の指摘程度しか返ってきません。確認基準がないため毎回見るポイントがブレてしまい、添付ファイルの漏れや曖昧な期限といった、相手から聞き返されるような重要なポイントが見逃されます。また、書き直した全文をそのまま提示されることも多く、元の文章のどこに問題があったのかが把握できません。
バリエーション
メール送信前の30秒クイックチェック
以下のメールを{{受取人}}に送信する前にチェックしてください。①相手から聞き返されそうな点 ②不足している情報(期限・担当・添付など) ③誤解を招く恐れのある表現、の3点についてのみ、それぞれ最大2件ずつ指摘してください。書き直した全文は出力しないでください。
""" {{点検する文書}} """
基準を3つに絞り、表の出力も省きました。短いメールであればこの程度の確認が素早く、結果も一目で把握できます。
承認申請前に差し戻し理由を予測する
以下は{{文書の目的}}のために{{受取人}}へ提出する文書です。決裁者が差し戻したり再確認したくなったりしそうな理由を3つ予測し、それぞれの理由について文書内のどの文が根拠になっているかをそのまま引用してください。その後、その3点を補うために何を追加すべきかを箇条書きで示してください。文書を書き直す必要はありません。
""" {{点検する文書}} """
点検基準を「差し戻し理由」という単一の切り口に絞りました。承認を得ることが目的の文書では、こちらのアプローチのほうがより実戦的です。
モデル別の注意
文書が短い場合、点検基準を6つも作らせる指示は過剰になることがあります。10行以内であれば「基準は4つで十分です」に変更してください。
表の「根拠となった文」の列で、原文を微妙に変更して引用してしまうモデルがあります。引用に違和感がある場合は、「引用は原文のまま、一文字も変えずに再度出力してください」と追加で指示してください。
関連プロンプト
最終更新 2026-09-02 · 誤りがありますか? 知らせる