なぜこう書くのか
20通以上続いたメールを貼り付けて「要約して」と頼むと、大抵は時系列のあらすじが返ってきます。誰がいつ何を言ったかは分かっても、「結局いま何が決まっていて、何が残っているのか」が見えてきません。メールスレッド整理で変えるべきはここです。必要なのはあらすじではなく「現在のステータス」です。
最初の段落の課題を「要約」ではなく「経緯整理」としているのは意図的です。要約は文字数を削る作業ですが、経緯整理は状態を明らかにすることなので、同じ資料を渡しても出力の質が変わります。整理の目的を指定することで、同じスレッドでも「メンバー共有用なら背景を残す」「返信準備用なら論点だけを絞る」といった使い分けが可能です。
2番目の段落では**手順(思考プロセス)**を指定しています。発言を1行ずつ抽出し、論点別にグループ化してから結論を出させることで、スレッドの途中で決定が覆されたようなケースも見落としにくくなります。特に、最後のメールだけを見て早合点するよくあるミスを防げます。フォーマットの指定で「合意したこと」と「まだ決まっていないこと」を分けているのも同じ理由です。混ざってしまうと読み手が結局精読する羽目になります。
制約の引用ルールはメール特有の課題への対策です。返信のたびに過去ログが丸ごと引用されるため、同じ文章が10回繰り返されるとAIはその内容を過大評価してしまいます。最後にスレッドを """ で囲むのは、メール文中の「この部分は無視してください」といった表現がAIへの指示ではなくデータとして認識されるようにするためです。
用語が分からなければAha AIで: output-format, context-window
悪い例との比較
このメール要約して
(メールスレッド全体を貼り付け)
時系列でダラダラと並べた文章が返ってきます。結論がどこにあるか分からず、結局元のメールを読み直すことになりがちです。また、途中で撤回された古い合意がそのまま生きていたり、繰り返し引用された過去メールが何度もカウントされて、すでに終わった話が未解決の論点として挙がってきたりします。
バリエーション
整理結果をもとに返信メールまで作成する場合
以下のメールスレッドを読み、まず「合意したこと / まだ決まっていないこと」を3行ずつ整理してください。その後、最後の送信者へ送る返信メールの下書きを作成してください。下書きは丁寧なビジネスメールのトーンで200〜300文字程度とし、まだ決まっていないことのうち相手に回答してほしい項目を箇条書きで質問してください。スレッドにない約束や期限は勝手に作らないでください。
メールスレッド: """ {{メールスレッド}} """
整理と返信の作成を同時に指示すると、整理が雑になりがちです。まず整理を出力させ、その情報に基づいて返信を書かせる順序立てが重要です。
上長へ3行で簡潔に報告する場合
以下のメールスレッドを{{整理の目的}}に合わせて、過不足なく3行で整理してください。1行目は現在のステータス、2行目は停滞している・問題となっている論点、3行目は上長の判断が必要な事項です。各行は60文字以内とし、細かい経緯や日付の羅列は省いてください。
""" {{メールスレッド}} """
読み手がすでに大枠の背景を知っている場合に向いています。行数を3行と厳格に縛ることで、AIが経緯を長々と説明し始めるのを防ぎます。
モデル別の注意
スレッドが長い場合、過去の引用が何度も繰り返されて実際の本文より大幅に長くなります。古い引用部分を削除してから入力すると、出力の精度が格段に上がります。
関連プロンプト
最終更新 2026-09-02 · 誤りがありますか? 知らせる