なぜこう書くのか
小説の文章推敲を依頼する際、最もよくある失敗は「文章」ではなく「内容」まで勝手に書き換えられてしまうことです。「もっと良くして」とだけ指示すると、キャラクターのセリフが消えたり、頼んでもいない描写が勝手に足されたりして、自分のものではない文章になってしまいます。このプロンプトは、修正の範囲を文章表現のみに限定し、どこを直したかをすべて可視化させます。
制約の段落がこのプロンプトの要です。特定の作家の文体を真似させないことで、どこかで見たような陳腐な文章になるのを防ぎます。段落の統合や分割を禁じることで構造の破壊を防ぎ、「要判断」という逃げ道を用意することで、微妙な箇所を無理にいじらず書き手に委ねるように仕向けます。禁止事項だけを並べるとモデルは無理に手を加えようとしますが、保留の選択肢を与えると素直に残してくれます。
出力を「本文」と「修正箇所の表」に分けるのは、元に戻せるようにするためです。表がないと修正案を丸ごと受け入れるか捨てるかの二者択一になりますが、表があれば気に入らない修正箇所だけをピンポイントで元に戻せます。文章の推敲とは、本来そうして一文ずつ見極めていく作業です。
原稿を """ で囲んでいるのは、原稿内のセリフやメモ書きがAIへの指示と誤認されるのを防ぐためです。「ここ削る」といった作業メモが紛れ込んでいても、単なるテキストデータとして扱われます。表を受け取った後は「3番と7番は元のままで、残りを反映してください」のように指示を繋げれば、作品の主導権を手放さずに推敲を進められます。
用語が分からなければAha AIで: prompt-injection, output-format
悪い例との比較
この小説の文章をいい感じに直して
(原稿を貼り付け)
このように大雑把に投げると、モデルは文章だけでなく作品全体を「改善」しようと暴走します。退屈だと判断したセリフを勝手に変え、説明不足に見える箇所にない描写を勝手に足してしまいます。その上、どこが変わったのか把握できず、原稿と結果を画面に並べて目で突き合わせる羽目になります。
バリエーション
誤字脱字と悪文(ねじれ文)だけをまず除外したいとき
以下の原稿から、誤字脱字、送り仮名の間違い、悪文、主述のねじれのみを修正してください。文体や独自の表現には手を加えず、修正箇所を「元の文・修正後の文・修正理由」の表形式で提示してください。
原稿: """ {{原稿}} """
文体の調整と校正を同時に指示すると、作業が混ざり合ってどれが純粋なエラー修正なのか判別できなくなります。まずは校正を終わらせてから、次に文体に手を付けましょう。
セリフだけをキャラクターらしく整えたいとき
以下の原稿のうち、カギ括弧内のセリフのみを【{{希望する文体}}】に合わせて推敲してください。地の文には一切手を加えず、セリフの内容や伝える情報はそのままで、口調や長さ・テンポのみを整えてください。登場人物ごとに口調の差別化ができているかどうかも表でまとめてください。
原稿: """ {{原稿}} """
セリフと地の文では推敲の基準が異なります。対象をセリフだけに絞ることで、キャラクターごとの口調のブレや違いが明確に見えてきます。
モデル別の注意
原稿が長い場合は3,000字程度ごとに分割して入力し、毎回「前回のセッションで適用した推敲ルールをそのまま維持してください」と書き添えてください。
長い原稿を入力すると、後半に進むにつれて「修正箇所」の表の記述が雑になることがあります。表の内容が薄くなってきたら、そのセクションだけを切り出して再度個別に処理させてください。
関連プロンプト
最終更新 2026-09-02 · 誤りがありますか? 知らせる